台風の強さを表す表現は大きさで決まるの?警報が出る基準は?

 

年々、台風による被害が大きくなってきている気がしますが、台風の強さや危険度ってすぐに分からなくて、対応に困ってしまうことってありませんか?

あまり慣れていないから、必要以上に警戒してしまったり、逆に甘く見過ぎていて大変な目に遭ってしまったり。

過剰に対策をするのは防災上悪いことではありませんが、逆のパターンは後で後悔する事態を引き起こすことになりかねません。

今日は台風の強さを示す表現の違いや、台風の大きさと強さの関係、さらに警報が出る基準についてご紹介していきますね。

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台風の強さを示す表現の違いは何?

気象庁は台風の強さを次のような区分で分けています。

 

強さの階級分け

猛烈な-  最大風速が54m/s (105ノット)以上
非常に強い- 最大風速が44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
強い- 最大風速が33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満

 

大きさの階級分け

大型(大きい)- 風速15m/s以上の半径が500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい)- 風速15m/s以上の半径が800km以上

 
「大きさの階級分け」で出てくる風速15m/s以上というのは、台風の予想進路図が表示される時に、暴風域と強風域の2つの円が台風の目を中心に表示されますよね?

内側のより台風の中心に近いのが暴風域、外側が強風域というのは、皆さんもおなじみの光景だと思います。

そしてこの「風速15m/s以上」というのは、強風域として区分されます。

つまり、大型か超大型かというのは、天気図を見た時に台風の中心から外側の強風域の円までの半径の長さで決めてると思ってください。

そしてこの「強さ」と「大きさ」を組み合わせて、台風を表現するんですね。

「大型で猛烈な」とか「超大型で強い」とか。

 

あれ?何で「強い」が一番下なんだろうって思いました?

その下の標準とか弱いっていうのがあってもよさそうですよね。

大きさも、標準や小型があってもいいようなもの。

実は以前は強さに示す階級に「弱い、並」などがあり、大きさには「小型、ごく小さい」などがあったんです。

一定以上の年代の方は、あーそういえばと思ったんではないでしょうか?

私も記憶があります(;”∀”)

でもたとえば「小型で弱い台風」って聞くと、大したことないんじゃないの?ってイメージを与えてしまうんですよね。

しかし決して小型=大したことない、ではないんです。

台風の中では小型だったり弱かったりするかもしれないけど、台風は台風なんだからしっかりと警戒しないといけない。

でもどうしてもイメージが先行してしまうんですよね。

だから、気象庁は誤解を与えかねない表現は使わないことにしたんです。

なので以前なら「弱い」とか「小型」って言ってたレベルの台風は、今は単に「台風」と読んでます。

頭に修飾語がつかなくなるんですねー。

 

台風の強さは大きさで決まる?

じゃあ、台風の強さは結局何で決まるの?大きさ?って話なんですが。

強い台風かどうかっていうのは、↑に書いたように「風速」で決まります。

でもよく中心気圧(ヘクトパスカル)が強いほど、台風は強くなるって言いません?

ヘクトパスカル(hPa)の数値が低いほど低気圧になり、警戒が強められます。

じゃあ、風速よりもヘクトパスカルの方が大事ってこと?

これは正解でもあり、不十分でもあるんです。

中心気圧が低い(ヘクトパスカルの数値が低い)ほど低気圧になり、低気圧になるほど風速が強くなるんですね。

なので気圧は台風の強さを見極めるのに、とても重要な要素です。

そして、低気圧によって発生した最大風速の値が台風の強さを決める時の基準になるというわけ。

 
じゃあ、大きさは強さに関係ないのかと言えば、まあ関係ないといえば関係ないんですね。

小型の台風だって非常に強い台風はあるし、大型でそこまで強くない台風だってあります。

でも大きさは警戒を促すのにとても大切。

正直なところ、あなたにとってまず一番大事なのは、今日本に向かってきている台風がどのくらい強いのかということよりも、影響が及ぶのはどの地域かということではないですか?

自分にとっての生活圏内や実家など身近な人の住んでる地域に直撃するかどうかが、まず気になる事ですよね。

自分に影響があるのであればどのくらいの強さなのかが気になりますし、影響がないと分かったらちょっと安心しつつ被害が大きくならなければいいねって心配する。

多くの人にとっては、台風の影響が及ぼす地域→台風の強さの順番で意識するんだと思います。

もちろん自治体や国にとってもそれは同じことで、被害を最小限に食い止めるためには強さだけでなくて、影響範囲もとても大事。

被害が及ぶ地域が山間部なのか海岸沿いなのかでも考えられる被害は変わってきますし、当然対策も変わってきます。

その意味でも、台風の強さばかりでなく大きさが正しくレベル分け、報道されるのは大事だし、「大きさ」も「強さ」と同じくらい大事なんでしょう。

 

台風の時に警報が出る基準は?

さて台風の強さは「風速」で決まるって書きましたが、台風の被害って強風や暴風だけじゃないですよね。

雨による被害も甚大なものになる時があります。

また、台風本体がもたらす雨でなくて、台風に刺激された梅雨前線が大雨を降らせることで大きな被害を招くことも多いです。

つい先日(2017年7月)、福岡・大分地方を襲った豪雨も台風によって刺激された前線が原因です。

だから台風が来ると強風・暴風警報だけでなく、いろんな警報がだされますよね。

大雨、土砂災害、波浪などなど。

こういった警報はどういった基準で出されるのがご存知ですか?

 
警報の1つ前段階に注意報があるのはご存知ですよね。

では警報と注意報の違いはご存知ですか?

注意報- 災害が起こるおそれのあるときに注意を呼び掛ける予報

警報- 重大な災害が起こる恐れのある時に警戒を呼び掛けて行う予報

注意報や警報が発表される基準は、雨や風、土砂災害など気象現象ごとに決められていますが、台風だからといって特別な基準が適用されるわけではありません(地域ごとに基準値は違います)

ただし、すでに雨が降り続いていて土砂崩れが起きやすくなってる地域などでは、本来の基準とは違う基準を適用する場合もあります。

 

つまり警報は、【重大な】災害が起こる可能性がある段階なので、該当する地域にいる人は最大限の警戒をしてくださいねっていうことです。

警報が発令されると学校が休みになったりするのも、ここに理由があるんですね。

最近は注意報や警報に慣れてしまって、イチイチ驚いたり対策を取ったりしなくなってしまったのは私だけでしょうか(;^ω^)

たかが警報と思わずに、特に台風の時は警報が発令されたら情報収集をしっかりとしつつ、避難の必要があれば避難準備をするなどしてくださいね。

また注意報だって「災害が起こる恐れがある」場合に発令されます。

警報以上に軽視してしまいがちですが、甘く見てはダメですよー!

 

台風の強さと大きさ-さいごに

台風は怖い自然災害ですが、強さや大きさなどの情報や進路予報をしっかりと把握して適切な対応を取っていれば、被害を抑えることもできます。

過剰に反応する必要はないですが、過少評価もしないようにしましょう。

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