個人事業主が固定資産と減価償却の特例を使う時って?仕訳はどうする?

 

固定資産は一定のルールに従って減価償却しないといけないんですが、意外とややこしいんですよね。

おまけに個人事業主で青色申告の場合は特例法が適用になったりならなかったり。

ただし減価償却は節税にも繋がるので、とっても大事!

ここでは、青色申告をする人が適用される特例の条件や仕訳についてご紹介します。

 
  

個人事業主で固定資産を減価償却するっていうのはどういうこと?

最初に軽くおさらいから。

法人、個人事業主関係なく、経費って大切ですよね。

売上が伸びている時は特に経費に出来るものを探していたり(笑)

事業に関係のある出費については、基本的に経費として計上できます。

でも金額の高いものは経費ではなくて、固定資産として計上しないといけません。

今日はそんなお話です。

ここからは、青色申告をする個人事業主についてお話していきますね。

白色申告者や法人の場合は、当てはまらない場合もあるのでご注意ください!

 
さっきも書きましたが、金額の高いものは経費ではなくて固定資産となります。

一度「固定資産」として計上して、数年かけて少しずつ経費として落としていきます。

これを「減価償却」といいます。

何年かけて減価償却をするかは、モノによって細かく決められています。

個人で勝手に判断してしまうと収拾つかなくなってしまうので、国税庁で「これは一般的な耐用年数がこれくらいだから、〇年で償却!」みたいに決めるんですね。

たとえば車なら何年、PCなら何年、ソフトなら何年といった感じですね。

ちなみにPCは4年です。私は同じパソコンを4年も使ったことがないですけどね・・・。

 
つまり150万で仕事で使う車を購入。

全額経費で落とせる!税金が安くなる!と思っても、それはぬか喜びです(;・∀・)

150万全額を一気に経費で落とすことは出来ませんよ、少しずつ減価償却してくださいねーとなります。

 

青色申告者は固定資産の減価償却で特例が適用できる

一般的なルールとして、固定資産の対象となるものは10万円以上です。

9万円のPCなら経費で落とせますが、10万5千円のPCを買ったら固定資産として減価償却してくださいねーっていうことですね。

ただし、青色申告者に関しては特例が適用されています。

それは30万円未満であれば「少額減価償却資産の特例」というのが適用されて、経費として一括計上してもいいっていうもの。

これはとても便利だし助かりますよー(*^^)v

私みたいなブロガーというかアフィリエイターもどきのような職種は、30万円を超える買い物なんて滅多にありません。

なので大抵のものは一括で経費扱いにしてしまえるんです。

節税になるっていうのもそうですが、なにより減価償却なんて面倒なことを考えなくてもいいっていうのが嬉しいです( ´艸`)

この特例が使えるのは、青色申告を選択している個人事業主だけです。

白色申告者も法人も使えませんので、ご注意ください。

そして青色申告の人も、無制限に特例が適用されるわけではありません。

30万円までは経費処理でもいいんですが、一年間の上限は300万円と決まっています。

注意したいのは開業した最初の年ですね。

個人事業主の事業年度は1/1~12/31ですが、7/1に開業したとしたら?

この場合、初年度に関してはこの特例の上限額は300万円÷12×6か月(7~12月分)=150万で、150万が上限となります。

さらに商品を購入したら、その年に使い始めていないとダメですよ!


 
そしてさらに注意したいことが1つ!

それはこの「10万円」とか「30万円」って、商品単体の値段じゃないんですよ。

たとえばデスクトップPCを買ったとしますね。

デスクトップPCの値段が8万円だったとします。

ということは、10万円以下だから経費になる・・・とは限りません!

デスクトップPCって、それだけでは使えないですよね。

他にもモニター(PCディスプレイ)やキーボード、マウスなんかも必要です。

そんな時は、それらすべてをひっくるめた時の値段が10万を超えるかどうかが基準となるんです。

なので、デスクトップPCが8万円でも、モニターが3万円してたらこれで10万超えてしまいますよね。

ということで、これらは全てセットで1つの固定資産扱いとなります。

他にもPC用のデスクは椅子とセットでないと機能しないので、デスクとイスの合計金額で判断します。

単体で機能できるものは単体で判断して、何かとセットが基本の場合は全ての合計額ってことですね。

あ、青色申告であれば30万超えてないので経費扱いに出来ますが、青色申告でも30万を超えるかどうかの考え方はこれと同じですよ^^

固定資産か消耗品かの判断は、金額だけでなく使用年数が1年未満かという点でも判断が可能です。

ただ12月に買った場合はどうする?とかどうやって証明する?とかっていうのがちょっと面倒なので、私はよほどのことがない限り金額だけで判断してます(”ω”)ノ

 

固定資産を減価償却せずに特例を使うときの仕訳

では最後に、青色申告者の特権である特例を使ったときの仕訳をご紹介しますね。

ここでは28万円のパソコンを購入したとしましょう。

高いですよねー。でもプロが使う高スペックなPCを買ったということで(笑)

30万円未満なので、青色申告者であれば特例を使ってそのまま経費とすることが可能ですよね。

が!

勘定科目に消耗品費を使ことはダメです。

固定資産にまわさずに一括で経費として落とせるとしても、消耗品費はダメ。

この場合は器具備品費を使うことになります。

器具備品費はPC以外にもデスク、チェア、コピー機、エアコン、TV、その他のオフィス機器などなどです。

一括で減価償却する場合は10万以上でも消耗品費として計上するという人もいます。

私は本来の消耗品費と特例での消耗品費扱いを分けたいということで、器具備品費を使うやり方を取ってます!

で、肝心の仕訳はこんな感じ。

まず28万円のPC購入日(10/1)に、

日付借方貸方摘要
10/1器具備品費 280,000現金 280,000 PC購入

※貸方は支払い方法に応じて「現金」とか「普通預金」とか「事業主借」とかとか。

 
そして決算日である12月31日付けで

日付借方貸方摘要
12/31減価償却費 280,000器具備品費 280,000 PCを少額減価償却資産の特例により一括減価償却

 

購入日に固定資産として一度計上し、年度末に全額を減価償却(=経費扱い)にするっていう流れですね。

細かいですが、確定申告用の書類の摘要らんでは「少額減価償却費~~」なんて長ったらしく書かずに、「措法28の2」だけで大丈夫ですよ!^^

この特例は期間限定でして、平成30年(2018年)3月31日までの適用となっています。

今までは期限が来るたびに延長されてきましたが、今のところ税制改正の気配はなさそうです。

このまま本当にこの特例が終わってしまうかもしれませんね( ノД`)

 

個人事業主が固定資産と減価償却の特例を使う時の仕訳はどうする?-まとめ

期間限定で適用されている特例ですが、あてはまる場合は積極的に利用してみてください。

2018年4月1日以降は、今のところ適用外となってしまうのでそこだけ注意してくださいね!

うっかり忘れてた・・・なんてことのないように(^▽^;)