インフルエンザワクチンには卵が使われているから、卵アレルギーの人は接種してはいけないって聞いたことありますか?
ほとんどの人にとっては「ふーん、そうなんだー」で終わりでしょうが、卵アレルギーの人や家族を持つ人にとっては他人事ではないですよね。
ただ、卵アレルギーと一言で言っても、その症状やレベルは人それぞれ。
卵アレルギー=インフルエンザワクチンは危険!ではありません。
ワクチンの製造過程でどう卵が使われているのか、ワクチンになった時に卵の成分はどうなっているのかを知らないと判断できないんですよね。
今日はその辺の詳しい工程と、どの程度のアレルギーだったら要注意なのかの目安(あくまでも目安ですよ!)をご紹介しますね。
インフルエンザワクチンには卵が使われています
インフルエンザの予防接種っていうのは、感染性がなくなったインフルエンザウイルスをわざと摂取させて免疫を付けさせる仕組み。
だからワクチンを作るにはインフルエンザウイルスが必要となります。
そしてウイルスを培養する必要があるんですが、これは生きた細胞の中でしか培養できず鶏卵がとても適してるんだそうです。
この時に鶏卵を使うんですね。
鶏の卵を使う理由は、大量に手に入りやすいということとウイルスの培養がスムーズに行くことの2つ。
なんと鶏の卵1つあたりに摂取できるウイルスは大人1人分かそれ以下なんだそうですよ。
日本だけでも毎年ワクチンは何十万、何百万人分と製造されますから、それ以上の数の卵が必要になるってことなんですよね!( ゚Д゚)
実はウズラの卵でも作れるんですが、ウズラって鶏の卵に比べたら数分の一の大きさですよね。
だからウイルスも少ししか培養できないから非効率的。
じゃあ、もっと大きいダチョウの卵は?
ダチョウの卵だったら大きいから一杯ウイルスも取れるし、卵アレルギーの人でもダチョウだったら大丈夫な人も多いですよね。
実はダチョウ由来のワクチンは現在研究段階で存在しています。
でもダチョウの卵を使うことになると、コストの面で高くついてしまうんだそうです。
将来的に、卵アレルギーで予防接種受けられない人向けに、ダチョウの卵から作られたワクチンが出てくるといいかもしれませんね(^^)
インフルエンザワクチンに危険性はある?
では今度は、鶏卵を使って作られたインフルエンザワクチンのリスクについて。
あ、ここでのリスクっていうのはアレルギー反応に限ってのリスクです、念のため。
↑に書いたように、インフルエンザワクチンの製造過程でウイルスの培養係として鶏卵を使うのが現在の主流です。
そのため、最終的に製品となったワクチンの中に、ごく微量とはいえ卵の成分が残ってしまいアレルギー反応を引き起こすことがあります。
とはいえ、現在では精製技術が高度に発展しているため、残ってしまうとしても本当にごくごく微量です。
なので卵アレルギーの人でもほとんどの場合は影響がないとされています。
これは卵アレルギーのお子さんを持つお母さんには朗報ではないでしょうか。
ただし気になるのは、「ほとんどの場合」というこの言葉。
大事なのは、自分の子供が受けても大丈夫かどうかということですよね。
インフルエンザの予防接種を卵アレルギーの人が受けても大丈夫?
卵アレルギーを持っていてもほとんどの場合は影響がないと書きました。
ではどういう場合は気を付けないといけないの?って話ですよね。
少量であれば卵製品も食べられる、食べても症状が軽いっていうような場合は問題ないケースが多いです。
一番気を付けるべき人は、過去に卵を口にしてショック症状(アナフィラキシーショック)を起こしたことのある人。
そこまでではないけど、鶏卵を食べてひどい蕁麻疹や発疹が出たり、口の中がしびれたりする場合も要注意です。
こういった子供をお持ちのお母さんは、かかりつけのお医者さんにしっかりと相談しましょう!
もっと軽症の子供の場合も、不安がある時は事前にお医者さんに相談してみてくださいね。
一番大事なのは、お母さんや保護者が納得できるかどうかです。
そしてもし受けさせないと決めたのであれば、家族は全員予防接種を受けて子供がインフルにかかる可能性を下げてあげましょう!
インフルエンザ予防接種と卵アレルギー:さいごに
インフルエンザワクチンには鶏の卵が使われていますが、卵アレルギーがある人全員が予防接種を避けるべきではありません。
お子さんやご自身の症状をしっかりと見極め、不安があるのであれば医師に相談してから決めてくださいね。