冬の富士山は初心者には無謀な挑戦となりますが、山開き後であれば初心者でも充分に山頂まで登れる山です。
でもだからといって、危険がないわけではありません。
怖いのは高山病!
甘く見ていると死に至ることだってあるのが高山病。
今日は富士登山における高山病のリスクと予防、万一発症してしまった場合の対策についてご紹介します(=゚ω゚)ノ
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富士山に初心者が挑む場合の高山病リスクはどれくらい?
地球上では、標高が高くなっていくについて気圧が下がっていきますよね。
そしてそれに体が順応できないと、高山病になってしまいます。
高山病になりやすい人の基準というのは、性別とか年齢とか体力の有無とかではありません。
高度が上がっていくにつれて体が順応しやすいかそうでないかの、体質の違いによるものです。
若くて体力ある元気な男性だから大丈夫、体力がない60代の女性だからリスクが高いとかっていう話ではないってことを、まずは覚えておいてくださいね。
そして一般的に、標高2,000mくらいから高山病にかかる可能性が増えてくるといわれています。
富士山頂の標高は3,776m
この高さまで来ると、軽症の人も含めれば40~50%の人が高山病にかかる可能性があります。
2人に1人の可能性!
もちろん全員が重症化するわけではありませんよ?
きちんと予防をしていて、万一発症した場合も適切な対応をすれば大事には至りません!
でも重症化してしまったら、呼吸困難、歩行困難、脳がむくんでしまうことによって昏睡、最悪の場合は死に至ってしまいます。
だからこそ甘く見てはいけないんです。
何度だって言います。
高山病を甘くて見てはいけません!
富士登山をするときにおすすめする高山病予防
富士山頂を目指すときに、どうやって高山病の予防をするのか。
一番効果的なのは、「高所順応」と言って身体を高所に慣らすために、ゆっくりと登っていくんです。
五合目までは車で行くとしたら、到着してすぐに登り始めるのではなく、しばらく五合目に留まって体を慣らしてあげましょう。
五合目ですでに標高2,000mを超えています。
ここですでに高山病のリスクのある高さなんですよー。
登り始めてからもゆっくりと進みましょう。
始めは元気いっぱいなので、ついついペースを上げてしまいがちですがそれはダメ。
5~8合目を4時間くらいかけて登るイメージでいきましょう。
富士山では山小屋に泊まって、翌朝ご来光を拝みたいっていう人も多いですよね。
この山小屋泊にも注意が必要なんです!
高山病になりかかっている時に寝ると、なんと悪化してしまうんです!
高山病の予防には深呼吸が効果的なんですが、寝ている時は反対に浅い呼吸になってしまうんですね。
浅い呼吸になる=体内の酸素が減る=高山病が悪化するという方程式です。
ではどうすればいいのか?
早い時間に山小屋までたどり着いて、寝る前までにしっかりと身体を順応させてしまいましょう!
例えばこんな感じ。
五合目にはお昼ごろまでに到着。
そしてのんびりお昼ご飯を食べたり出発準備をしたりしながら、五合目の標高に体を慣らす。
それからゆっくり4時間ほどかけて八合目へ。
そうすると八合目には16時か17時頃に到着できますよね。
就寝時間が20時とか21時とかだとしても、それまでに高所順応が出来ます(*´▽`*)
え?寝るのが早い?
ご来光を拝みたいのであれば、翌朝は早起きです!
それにここまで来るのに疲れて、自然と眠くなりますのでご心配なく(笑)
今度はもう少し実践的な予防方法についてご紹介しますね。
1.初心者の弾丸登山はやめましょう
本格的な登山、富士山レベルの高さの登山は初めてという方は、日帰り登山は高所順応をする暇がないのでリスクが高まります。
2.体調は万全に
高山病は体質と書きましたが、睡眠不足だったり登り始める前から疲れていたり、風邪気味だったりすれば、リスクは高くなります。
3.水分補給と休憩はコマメにしっかりと
登れば登るほど気温が下がってくるので、喉が渇いたとは思わないかもしれません。
でも水分補給はこまめに行ってください。
アルコールでの水分補給はダメですよ!
そして休憩もコマメに取りましょう。
1時間登ったら10分休憩みたいに、ルールを決めてしまうといいですね。
休憩をすれば、その間はその標高に留まって体を少しでも順応させられますよ(^▽^)
4.ゆっくりと深い呼吸を
高山病予防には大きくゆっくり呼吸をして酸素をたくさん取り入れることが効果的です。
疲れてくると息が荒くなってしまいがちですが、腹式呼吸をすると酸素を大量に吸い込めますよ。
5.体力のない人に合わせる
これは登山の鉄則。
グループで登る時は、体力が一番ない人にペースを合わせます。
体力のある人に合わせたら、他の人はどんどん体力消耗してしまいますからね。
余裕のある人が余裕のない人に合わせてあげましょう。
富士登山中に高山病にかかった時の症状と対策
どれだけ対策を取っていても、高山病にかかってしまうことだってあります。
大事なのは、いかに初期の段階で気付いて対処するかということ。
高山病の初期症状には、次のようなものがあります。
これらの症状が出たら、危険なサインだと認識してください。
特にグループで登っている場合、具合が悪くなった人が他の人に遠慮して無理をしてしまいがちです。
これは絶対危険ですよ!
症状が出ている間は決して、先へと登るのはやめましょう。
安静にするのが一番ですが、すぐに横になるよりも深呼吸をしたり、ゆっくりと周囲を歩いたりした方が、より多くの酸素を取り入れることができます。
水分の補給もしっかりと行ってくださいね。
でもこれが有効なのは、あくまでも症状が出てすぐの間。
症状がおさまらない場合は、これ以上その場に留まることは逆に危険です。
いかにして早く下山するかを考えましょう。
グループの中に登山経験者がいないのであれば、周囲の人に助けを求めることも有効ですよ。
山小屋近くにいるのであれば、スタッフに相談してください。
山小屋近くでなくても、周囲に登山経験豊富な人がいるかもしれません。
下山する時も周囲の安全確保が大事!
こうなってしまったときにすでに暗くなっていたりして慌てないためにも、早めに登り始めるっていうのは大事なんですよね。
富士山と高山病-さいごに
富士山は3,000m越えでも初心者が登れる山です。
初心者にも優しい山ですが、気を抜くと牙をむいてくることも事実。
せっかく日本一の霊峰に登るのであれば、登山靴や服装、装備など十分な準備と対策をして登ってくださいね。
そうそう、万一の時のためにスマホを持って行くのもアリですよー!
そしてもし、高山病にかかってしまったら決して無理をしないこと!
命にかかわります!