こどもの日と言えば、鯉のぼりですよね。
今はあまり見かけませんが、昔は東京でもあちこちで鯉のぼりがはためいていたものです。
こどもの日に飾るものとしては兜と鯉のぼりですが、これはどちらも端午の節句(男の子のお祝い)のためであって、こどもの日だから飾っているわけではないという話を以前ここで書きました。
参考 こどもの日ってどんな日?プレゼントはあげる?喜ぶものはなに?
では、女の子しかいないお家の場合、鯉のぼりは飾らないものなんでしょうか?
というより、飾ってはいけないもの?
それにはまず、鯉のぼりを飾る意味を振り返ってみましょう!
こどもの日なのに女の子だけだったら鯉のぼりは飾らないもの?
こどもの日は男の子だけでなく、女の子のための日でもありますよね。
でも鯉のぼりは、こどもの日の飾りではなく端午の節句のためのものなんですねー。
だから鯉のぼりがある=男の子のいる家となるんです。
でもそれは、もはや昔の話かもしれません。
最近では幼稚園とか保育園で、男の子女の子関係なく鯉のぼりの工作をしたり絵を描いてたりしますよね。
卓上用の鯉のぼりにはキティちゃんやアンパンマンがまたがっていたりと、男の子だけにとどまらない気もします。
男の子の友達が自慢していたら、女の子も欲しくなってしまいますよね。
でも、鯉のぼりの意味や由来を考えると、伝統を重んじる方や高齢者の方に「女の子しかいないのに鯉のぼりなんて非常識だ!」って思われてしまう可能性も否定できません。
日本の伝統文化を子供に伝えるという意味でも、子供に本来の意味を教えてあげたうえで、室内用の鯉のぼりの置物やテーブルに飾れるサイズの鯉のぼりで、女の子とお祝いするのもいいですよね。
鯉のぼりをモチーフにしたヘアピンや髪飾りなんかも売ってますよ!
あれ?鯉のぼりの意味?由来?なんだっけ?って思われた方は、この先を読み進めてみてくださいね(*´▽`*)
端午の節句と鯉のぼりの由来は?
繰り返しになりますが、鯉のぼりは端午の節句の飾り物です。
で、端午の節句っていうのは、中国由来なんですよね。
そこに日本独自の風習を取り入れていって出来上がったのが、現在の端午の節句です。
ものすごいざっくりと言ってしまえば、厄を払い無病息災を願う行事、それが端午の節句です。
ではなぜ端午の節句で鯉のぼりなのか?
そこには2つの理由があるそうです。
まず1つ目。
中国で伝えられている伝説に、「鯉が滝を登り竜(龍)になって天を昇っていった」というものがあります。
鯉はとても生命力が強い魚ってご存知ですか?
とても大きく成長しますし、何と言っても長生き!
20年以上はざら、長生きすると70年80年、100歳以上ってこともあるんだとか。
そして、中国では竜(龍)は権力者である皇帝のシンボルです。
生命力いっぱいの鯉が皇帝のシンボルにまで昇りつめた。
もうこれ以上ないくらいの大出世ですよね。
いわゆる立身出世というやつです。
最初は無病息災というお願いだったのが、それだけでは足りないから出世させてくれとちょっと欲張りになってしまったみたいですね(笑)
そしてもう1つの理由。
これは日本の風習から来ているんだそうです。
江戸時代、徳川家に男児が誕生すると、のぼりを立てて神様に伝え守ってもらうようお願いする風習があったんだとか。
その風習が、武家に伝わり、庶民にも広がり現代に繋がっていくんですね。
そしてその幟(のぼり)が、今の鯉のぼりになったわけでs。
つまり、厄を払い無病息災を願う端午の節句に、鯉のぼりを飾る2つの理由。
鯉のように無病息災で出世できますように
男児誕生に感謝するとともに健やかな成長を祈る
という、2つの願いが鯉のぼりに込められているんです。
鯉のぼりにも意味があるんです
日本人って、縁起を担ぐし、モノを何かに見立てることが得意ですよね。
おせち料理なんて、その典型的な例です。
そして鯉のぼりも当然例外ではありませんよー。
鯉のぼりの本体というか、鯉そのものは簡単ですね。
立身出生した鯉と幟を現しています。
そして鯉の上にある吹き流し、これは魔除けです。
ポールの上についている天球は、うちの男の子はここにいますよーと神様に気付いてもらうため。
天球の下に矢車がありますよね。
これは武士が持つ弓矢から来ており、これで魔や厄を追い払うんだそうです。
ちなみに、矢車って風にまわってカラカラカラカラ音を立てるじゃないですか。
この音で、神様ここですよ、ここに来てくださーいと呼んでいたんだそうです。
天球だけでは目印にならなかったのでしょうか(笑)
地域によっては、カラカラ鳴っていると「今神様がうちに来ている」となるらしいですよ。
鯉のぼりの意味と女の子-さいごに
時代とともに伝統や文化は変わっていくもの。
鯉のぼりもその1つなのかもしれません。
もしかしたら10年後には女の子しかいないお家でも、大きくて立派な鯉が泳いでいるのが当たり前になるかもしれません。
それでも「皆がやってるから何となく」ではなく、大人として本来の伝統文化をきちんと子供に教えてあげたうえで、現代流のお祝いをするようにしたいですよね。