皆さんはイモリとヤモリの違いってはっきり言えますか?似てる似てるとは言われますが、そもそもそれぞれどういう動物なのかも分からない、という人もいるのではないでしょうか。
今回はイモリとヤモリの違いについて紹介します。
イモリは両生類でヤモリは爬虫類
イモリとヤモリの違いとして有名なのは、「イモリは両生類でヤモリは爬虫類」という点です。両生類のイモリは主に水中に生息し、爬虫類のヤモリは主に陸上に生息します。「井戸を守る井守(イモリ)と家を守る家守(ヤモリ)」と覚えるといいですよ。みなさんが普段生活していてそれらしき動物を見かけた時は、大体イモリではなくヤモリということになりますね。
名前も似ているし、どことなく見た目も似ている気がする両者。ですが、分類からして違う通り、イモリとヤモリは全く違う動物なんです。
見た目の違いは?
イモリとヤモリを外見から見分ける場合、指を見ると一番分かりやすいです。水中で生きるイモリは前足、後ろ足とも指が4本ずつなのに対し、陸上で生きるヤモリは垂直なガラスや壁にも張り付けるという特徴を持っており、そのこともあってか前足と後ろ足の指がそれぞれ5本あるのです。指の本数を数えるとイモリかヤモリか分かるというわけですね。
他にも、イモリにはまぶたがあるがヤモリにはまぶたがない、イモリはお腹の色が赤だけどヤモリは赤ではない、イモリは尾が側偏しているけどヤモリはそんなことはない、といった違いがあります。
イモリの特徴
続いて、それぞれの種としての特徴を見てみましょう。イモリは皮膚が湿っていて、また毒を持っているのも特徴です。毒持ちのため、迂闊に触ってはいけませんよ。皮膚が湿っているのは、皮膚呼吸を行う両生類ならではの特徴で、お腹が赤いのは毒を持っているのが原因なのだとか。
かつてイモリは水田にいる害虫を食べてくれる動物ということで、大切に扱われていたそうです。井戸を守ると書いて井守ですが、まさしく水辺を守ってくれる動物だったことからこの名がついたのですね。
ヤモリの特徴
全身に鱗があり、皮膚は乾燥しているヤモリ。まぶたがないのは、自身の舌で目を掃除できるからなんですって。爬虫類の特徴は肺呼吸、ヤモリも皮膚呼吸ではなく肺呼吸を行います。
家を守ると書いて家守、なんとも大層な名前ですが、実はヤモリは家にいるハエや蚊などの害虫を捕食してくれる動物なんです。そのため古くから人の役に立つ小動物として扱われており、家を守ってくれるというのもそういったイメージからなんですね。
日本で見られるイモリは?
イモリにも様々な種類が存在しますが、日本固有種のイモリがアカハライモリです。アカハライモリを指して単に「イモリ」と呼ばれることも多く、日本においては「イモリと言えばアカハライモリ」なのですね。主に本州、四国、九州あたりに分布しています。
食事から神経毒であるテトロドトキシンを大量に摂取、体内に蓄えることで捕食者から身を守ります。上半身の皮膚は黒色から暗褐色、イボのような隆起で覆われているのでザラザラしていますよ。
日本で見られるヤモリは?
ヤモリもイモリ同様様々な種類がおり、日本には「ニホンヤモリ」が定着しています。ただ、こちらはユーラシア大陸からの外来種と考えられており、日本固有種ではありません。秋田県以南の本州、四国、九州、更に中国東部や朝鮮半島にも分布しますが、日本の複数の都道府県ではレッドリストの指定を受けるなど、近年は減少傾向にあるようです。
都市部に多く、郊外では個体数が少なくなる動物で、日本の原生林には生息しません。驚いたり敵に捕まったりしそうになると尾を自分で切ることがあります。その後、尾は再生するものの、再生したものと切ったものとは目で見て分かるほどの違いがあるようです。
最後に
今回はイモリとヤモリの違いについて紹介しました。ニホンヤモリが切った尾は、その後も10分程くねくね動いたり跳ねたりするんですって!ちょっと不気味ですね。