今話題の半導体不足って?日常生活への影響は?

新型コロナウィルスが発生して以来、「半導体不足」が話題となっています。テレビやパソコン、自動車など、あらゆる商品に使われている「半導体」が不足したことで、現在たくさんの商品が品薄状態となっているからです。

では、世界的な半導体 不足 なぜ起きているのでしょうか。そして、この半導体不足はどのように私たちの生活へ影響しているのでしょうか。半導体不足の原因を整理し、日常生活への影響についてまとめていきます。

そもそも半導体とは?

半導体とは、導体と絶縁体の中間の物質機能を備えた物質、つまり「条件によって電気を通したりと通さなかったりする物質」のことです。この半導体の性質を利用して、電化製品などは、「制御」ができるようになっています。

半導体不足による日常生活への影響

いまや私たちの生活にはかかせないものとなっている、半導体。そのため、半導体不足についてはニュースでもよく話題となっていますよね。具体的に、日常生活への影響を見てみると

  • 給湯器の在庫切れ(壊れたてもすぐに取り換えることができない)
  • 自動車の納期が大幅に遅れる
  • パソコン、スマホなどのデバイスの品薄状態が続く
  • IH、食洗器、エアコン、照明器具などの納品日が大幅に遅れる

といったことが挙げられます。

半導体 不足 なぜ起こっているのか

半導体不足の原因は、半導体における需要と供給のバランスが急激に崩れたことにあります。では、なぜそのバランスが急激に崩れたのでしょうか。ここからは半導体不足の2つの原因、「需要の増大」と「供給体制のひっ迫」について簡単に説明していきます。

半導体の需要増大について

【原因①】急速なデジタル化による需要の増大

技術は日々進化しており、急速なデジタル化が進んでいます。それにともない、パソコンやスマートフォン、テレビへ使われる半導体の需要が増大しました。

【原因②】テレワーク導入や外出規制よるパソコン需要の増大

新型コロナウィルスをきっかけに、テレワークや巣ごもり用として、パソコンやテレビを購入しようとする人が爆発的に増え、ますますデジタル化が促進。新型コロナウィルス感染拡大は、半導体の需要をさらに急激に増大させたのです。

半導体の供給体制ひっ迫の原因について

【原因①】新型コロナウィルス感染拡大による工場閉鎖

新型コロナウィルスで半導体の製造工場の中でクラスターが発生。感染を防止するために工場閉鎖され、操業停止となりました。

【原因②】自然災害や事故による工場の閉鎖

2021年以降、自然災害や事故が多発。2021年2月アメリカテキサス州では、大寒波の影響で半導体の工場が閉鎖されました。台湾においては、同月、過去に例をみない深刻な水不足となり、大量の水を必要とする半導体の生産に影響を及ぼしました。

【原因③】工場設備の老朽化による供給体制のバランスの崩れ

実は現在、半導体の多くが、一世代前工場設備で生産されています。しかし5Gスマホなどの最先端の半導体は、古い工場設備では効率良く生産することができません。半導体を生産し利益をあげていくには、工場設備も最先端にする必要があるのです。

しかしながら、半導体の工場は設備投資のコストが莫大すぎるため、メーカーは半導体の自社製造をストップ。中国や東南アジア圏の「ファウンドリ」と呼ばれる受託製造を行う工場に、半導体の製造を委託するようになりました。ファウンドリは注文が殺到したものの、その多くの工場は生産能力が見合わず、半導体の生産が追い付かない状況となりました。

【原因④】米中対立で半導体の不足に拍車

貿易摩擦でアメリカが中国のファウンドリに禁輸制裁を行いました。そのため、台湾や韓国のファウンドリ企業に注文が殺到し、半導体不足を悪化させてしまいました。

半導体不足はいつまで続く?

今後については様々な見解が出されていますが、多くの人が2022年の夏ごろから徐々に回復し始めると予想していました。しかし、半導体 ニュースを見てもわかるように、完全に回復までは先が長いようです。例えば、トヨタ自動車は2022年4月、半導体不足の影響により、5月の世界生産台数が年初計画比10万台程度減の75万台程度になると発表しました。

また、これからAIや自動車の自動走行技術、ロボット分野など技術革新がますます進むことで半導体の需要はさらに増大。このことから、需要と供給のアンバランスな状態がしばらく続きそうだと考えられますね。

まとめ

今回は今話題の半導体不足をテーマにその日常生活への影響について説明しました。ありとあらゆる製品に使われている半導体ですが、半導体不足の解消までにはまだまだ時間がかかりそうなのが現実です。

しかし、世界的には最先端の半導体工場に投資する動きもでています。これが進めば、半導体の製造自体が効率化されるため、徐々に半導体不足は回復していくでしょう。